病院での治療が終わり、退院したガスは介護施設で療養する。キンジーがそこにガスを見舞うと、ちょうど準備中の夕食の匂いが漂っていた。キンジーは嗅覚も研ぎ澄まされている。その匂いからメニューまで嗅ぎ分けることができるのだから、これはすごい。まず、ポークと一緒に人参とカブを煮込んだ料理。すでにステンレスの長方形の容器に入っているのは、鶏肉のミルク・グレービー。どちらか、選べるンだ。ほかの容器には砂糖をかけて焼いたピカピカのサツマイモ、そしてマッシュポテト、の付け合わせの野菜料理2種。

用意のできたカフェテリアの夕食。 Ulrike MaiによるPixabayからの画像
そして思う。
人生の終わり近くにこういう料理を食べなくてはならないのなら、なぜ今食べたいものを我慢する必要があるのか。
これって本当にそう。全く同感。
だが待てよ。キンジーは「今食べたいものを我慢」しているか?答えは、微妙に、NO。
このステートメントはトリッキー。これは実は、今食べたいものを我慢せず好き放題に食べていれば、いずれあなたも病気で倒れ、こうした施設に入所して、健康回復を目指すカロリー管理と栄養重視の平均的な薄味、で最大人数を満足させると思われるメニューの食事(概してまずい)をすることになりますよ、という「命令形、or」の構文なのだ。
キンジーにはその展開をすでに受け入れている気味がある。今は意志の力でかなりの我慢をしていると感じているので、どうせ同じ我慢をするのなら、今は好きなものを食べようかな、その方がずっといいジャン、に傾いている。
ご存知の通り、キンジーの狭小種類の偏食は筋金入りだ。
- 朝はボール1杯のシリアルで終わり。ときどき果物がついたっけ?
- 時を選ばず食べたいものは、マック・アメリカのクオーター・パウンドのハンバーガー、
- いつもそういうわけにはいかないから、夕食はロージーの店でくたくたに煮込んだ肉料理、
- その時間がない場合は、薄い輪切りピクルスを挟んだピーナッツ・バター・サンドイッチ(唯一できる料理)、
といった具合。
私も現在「我慢」をしていない。が、状況はちょっと違う。長生きしたいという希望から、情報番組で「いい」とされることは進んで採り入れてきた。もともと薄味が好きだったので塩分摂取に問題はない。海藻もキノコも好き、納豆大好き、野菜は畑で採る、と(偶然なのだが)健康にいいとされる食物の多くを日頃から食していた。だから、「我慢」している感覚はない。だから、病気で倒れることもその後の療養生活も、しないで済みそう、である。今は健康的な食事をしながら、時々ジャンク・フードや好きなモノを食べる。このまま、最後まで行くつもりでいる。
だから、キンジーが心配。
もっと栄養のあるものを常日頃食べよう、ね、キンジーさん。毎日の3マイルジョギングで体重は管理できるかもしれないが、今のままじゃ栄養面で体がいずれ「破綻」すること、必至です。「食べること」は健康の基本中の基本。気をつけてください。そして、健康的な生活を続けて、ぜひとも、
( ゴマを振った本物はMcホームページで。ここからどうぞ。)
人生の終わりには、毎日大好きなものを存分に食べて至福のひと時を味わってください。
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