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    キンジーの周りの Made in Japan 3 – Kudzu –

    夏の庭の葛の茂み。T is for Trespass
    葛とツルマメ。

    3.ヘンリーの裏庭のキュウリ、あまりの繁茂ぶりにキンジーはKudzu(葛)だと思っていた。たくさん採れて、彼はすでに漬物、bread-and-butter pickles、にしてこの日は3回目の漬け込み。

    畑で大きくなるきゅうり。

    収穫まぢか。Vasily SukovatitsynによるPixabayからの画像。

    カリフォルニアでは微妙。だが、アメリカでキュウリと呼ぶ野菜は、日本のきゅうりとはだいぶ異なる。まず、はるかに大きい。収穫期をとっくに過ぎて大きくなり過ぎた日本のきゅうりとそっくり。大味でほぼ無味、表皮のいがいがもあまりない、それに、あの香りがない。でもそれがアメリカのキュウリ。いくら早めに細いうちに捥(も)いでも、アメリカのキュウリを塩をほんの少しつけてガリっとかじって、ああうまい、と唸ることはないだろう。同じキュウリ科でも、兄弟か従妹ほど離れているのだと思う。

    収穫したきゅうり。

    アメリカのキュウリ。Rhythm_In_LifeによるPixabayからの画像。

    それがタイのバンコクではほぼ同じ味。驚いた。それもそのはず、日本のきゅうりの種を輸入して栽培しているから。タイのアメリカ人は日本のきゅうりの味を覚えて帰国する。そしてアメリカのキュウリを食べて、キュウリはこうでなくては、と言っているに違いない。

    bread-and-butter-pickles-method-2

    小さなキュウリの1本漬けとは異なる。薄い輪切りにして漬ける。https://www.simplyrecipes.com/thmb/WmsVNvUVBTsJ8Mp3E38ReCKyKwQ=/600×0/filters:no_upscale():max_bytes(150000):strip_icc():format(webp)/__opt__aboutcom__coeus__resources__content_migration__simply_recipes__uploads__2008__08__bread-and-butter-pickles-method-2-2ebd85ae8b20402585d2cc73a264bd5d.jpg

    そしてbread-and-butter pickles について。家庭でよく作られるキュウリのピクルスだそうだ。bread-and-butter pickles とあるので、バターを塗ったパンをちぎって酢を入れ、そこでキュウリを発酵させるのかと思ったら大違い。bread-and-butterって「よくある、ありふれた」という意味だそうだ。知らなかった。レシピはこちら

    庭の葛の近撮。

    ススキに絡む庭の葛。

    さて、そのキュウリが繁茂しすぎて Kudzu に見えたという葛は、人間の手のひら大の葉で、太い蔓を夏になるとどんどん伸ばす。山からやってきて庭に侵入する。うっかりすると、梅が見慣れない木に変身している。小さな赤紫と白の花は愛らしく、素晴らしい香りを放つ。根を粉にするとあの葛粉になる。アメリカの高速道路の緑化を目的に日本から輸入したが、あまりの蔓延り方に今やアメリカでは有害植物となっている(我が家でもそうです)。

    野薔薇に絡みつく葛。

    野薔薇に絡みつく葛。

    輸入されたもの、梱包に付着していたもの、が日本で帰化して迷惑植物や厄介動物になっている例はいくらでもある。植物学者・動物学者・昆虫学者が神経を尖らせていることが、(動物・植物・昆虫)移住による純粋日本種の消滅、である。ホームセンターで売っているメダカ、すぐに卵を産み付け、数が増える。増えたら、メダカが消えた小川に戻せばいい、と安直に考えてはいけない。日本のメダカと混ざって、「日本のメダカ」がこの世からいなくなってしまうからだ。

    川に泳ぐメダカ。

    メダカ、すいすい。manseok KimによるPixabayからの画像。

    でも、そうなのだろうか。

    私たち日本人は、南洋系と北方系の先祖との混合種だ。もっと近い時代にも、中国人や韓国人と混ざっている。西洋人とも混ざっている。世界が地球規模で文化的にも物質的にも均一化の方向に傾いているとき、種が純粋であること、はそれほど重要なのだろうか。

    「キュウリ」を胡瓜、きゅうり、cucumberと呼びながら、味はその土地土地で異なる、それでいいような気がする。アメリカに行けばアメリカのキュウリを食し、日本に帰ってきてやはり日本のキュウリは最高、と言えば、2回おいしいではないか。

    蔓を切る大ばさみ。

    蔓は鋏で切る。Allan LauによるPixabayからの画像 。

    当座の対処法:Kudzuが有害植物ならば、アメリカでは利用できる範囲で使用するにとどめ、蔓延って困るところではどんどん駆逐すればよい。もともとアメリカにはなかった植物なのだから、遠慮は要らない。アメリカザリガニも日本では駆逐の努力をしているところ。つまり、これから新しいものを導入するときは、その環境影響評価をきちんと行わなければならない。

    アメリカ・ザリガニ。

    アメリカ・ザリガニ。BARBARA808によるPixabayからの画像。

    遠望深慮の理想:何でも受容される社会では、純血も混血も等しく尊い。アメリカの蔓科植物と自然交配して優しい kudzu が誕生すれば、高速道路緑化の初期目的ばかりか、裸地の再生にも重宝するかもしれない。人間も様々な相違を認め、その融合型の新しい形も認め、誰も不平も文句も言わず自慢も軽蔑もしない世界になれば、ずっと住みやすい国になる。と思うのだが。

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