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    キンジー vs ソラナ

    忍び寄る極悪人。T is for Trespass
    極悪人ソラナ。

    社会の極悪人をプロローグで糾弾したキンジーは、その実例としてキンジーが出会った極悪人の、ソラナ・ロハス、という名前を口にする。この時、極悪人は観念ではなく実体となった。

    瓶に入れて封印した悪が、その中でヌルヌルと蠢き始めるその様子を、瓶の厚さを通して見ているかのような怖さが背筋を走る。その瓶をパッと投げて手から離したくなるほど不気味だ。

    蜘蛛がいる瓶。

    怖い瓶。

    そもそも、この女は誰だ。看護師ソラナ・ロハスの近くにいた「彼女」はソラナをじっと観察し、ソラナの人生を気に入り、ソラナの人生をそっと生き始め、やがてソラナが町を離れると、ここぞとばかり堂々ソラナとして行動する「なりすまし」の極悪人なのだ。

    医師と看護師のポートレート。

    医師とソラナ(看護師)の記念写真。

    極悪人が怖いのは、一つには、彼らが狡猾で頭脳優秀であるから。

    • 彼らは会った瞬間に相手を正しく評価できる。
    • 相手が何を考えているかを読むことができる。
    • そして、これが最大の武器であるが、相手を思いのままに繰る話術に長けている。

    だからキンジーがふと、何かおかしい、と思ったときでも、「彼女」は直ぐさま そうではないことを理論立って説明し、少なくともその場はキンジーを納得させてしまう。でも、そのテクニックが有効なのは、初めだけ。同じく観察力の鋭いキンジーは、たとえその場ではうやむやに誤魔化されても、心に感じた異様さを記憶にきっちり留めている。そうした機会が重なった瞬間、キンジーは感じた異様さを「異常」と確定する。

    キンジーとソラナの綱引き。

    どちらが勝つか?

    この事件全編を通して、ソラナ・ロハスと名乗る狡猾な「彼女」と、善を信じるキンジーの間で必死の綱引きが繰り広げられる。キンジーが勝ち始めるのは、その異常さが確定され、キンジーが、こんなことが許されていいわけがない、とはっきり怒りを覚えてからのことだ。

    スーツケース2個。

    撤収の準備。

    「彼女」は過去の成功例から多くを学び、貪欲になり過ぎることなく、手ごたえが出た時点で迅速に現場を引き上げることも覚えた。今回もガスを絞りつくす前に、撤退の準備にかかる。しかし、キンジーの方が素早く動いた。しかも、キンジーには善を信じるシンパが複数ついていた。ソラナの過去の被害者が心強い同志としてキンジーの横に立っていた。

    キンジーは仲間に支えられる。

    キンジーには仲間がいた。

    ソラナに成りすました極悪人の「彼女」も、結局はキンジーの善を信じる意気に負ける。勝負はついた。そのように見えた。この物語は勧善懲悪ですんなりと終わったかのように見えた。

    しかし第二幕、「彼女」の復讐劇、が待ち受ける。

    第二幕が待ち受ける。

    第二幕が待ち受ける。

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