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    ソラナの見たキンジー

    緑色の瞳の女性。T is for Trespass
    これが緑の瞳なんだ !! BessiによるPixabayからの画像 .

    キンジーは看護師の到着を心待ちにしていたのだ。彼女のおかげでガスが家に戻り、ずっと暗かった彼の家に灯りが戻る。平和な光景だ。ある夜、帰宅したキンジーはガスの家の前に赤い大きなごみ入れが鎮座しているのに気づき、あの夥しい新聞やがらくたが、どんどん処分されていることを、心から喜ぶ。

    夜の家の窓に灯がともっている。

    窓に灯り。Maria Orlova 撮影。

    そして、自己紹介の時。

    部屋に招き入れられたキンジーは開口一番、わあとてもきれい、見違えるほどきれい、と感嘆するのだ。ところがドアを開けたソラナは一目見て本能的に、キンジーを自分と同類、と見なした。そして大きな興味と強い警戒心を抱いた。

    その時ソラナが見たキンジーの瞳は、

    緑色の瞳の女性。

    これが緑の瞳なんだ !! BessiによるPixabayからの画像 .

    おかしいよね。私たちがこれまで私たちが知っているキンジーの瞳はハシバミ色(薄茶色)なのだ。

    茶色い瞳。

    ハシバミ色の瞳。andreas160578によるPixabayからの画像。

    これまで、キンジーの外貌については客観的な描写がなかった。『ロマンスのR』まではずっと「わたし」で綴られていたから、鏡を見て自分で描くキンジーの姿しか読者には知らされなかった。第三人称の視点で書かれるようになり、キンジー像も客観的に描かれるようになる。ここでソラナが受ける印象が、その最初のものだ。

    狼の目のような緑の瞳。

    彼女の描写に一番近い目。Sofie ZbořilováによるPixabayからの画像。でも、緑ではない。

    そのキンジーの瞳、緑色で所々に金色の斑点があり、そして虹彩の周囲に薄い線の輪がある、と間近で見たソラナ、まるで狼のようだ、と震え上がる。

    こちらを向く狼の瞳は薄い緑。

    狼の瞳。mohamed HassanによるPixabayからの画像 。ハスキーの瞳は青。

    緑色の瞳って、不思議な瞳。私たちがよく知っている緑の瞳の持ち主は、そうです、マーガレット・ミッチェル著『風と共に去りぬ』のヒロイン、あのスカーレット・オハラ。そして、S is for Silence のバイオレット。バイオレットの瞳は名前のついでにすみれ色でもよかったのだ(記憶が正しければ、ヘンリーの瞳が確かすみれ色、そういう色の瞳もちゃんとあるんだから)。

    紫の瞳。

    紫の瞳。SilviaP_DesignによるPixabayからの画像 。確かに。

    瞳の色がいろいろあるって、なんだか、とても不思議な世界。私もその昔のある日、大学のダイニング・ルームでランチを終えて、ふとテーブルに座ったメンバーを眺めたら、4人全員青い目をしていて、思わず、Hey, guys, you all have blue eyes. Very strange to me. と言わずにはいられなかったことがある。その時、これは言わないでおいたが、なんだか私の目ももしかしたら青い、ような気がしていた。

    つぶらな青い瞳。

    青い瞳。Myriams-FotosによるPixabayからの画像。

    バイオレットにもスカーレットにも、彼女達の持つエネルギーや特異性を表すために、著者が敢えて「緑の瞳」を使ったと思うのだが、すると、キンジーにもかなりのエネルギーのポーテンシャルと特異性があり、極悪人ソラナにとってそれは大きな脅威として感じられ、それでソラナには、本来はハシバミ色の目が緑色に見えた、というわけなのか。

    剛毛に覆われた足を持つ毒蜘蛛、タランチュラ。

    タランチュラ。Christine TrewerによるPixabayからの画像。

    おまけに、彼女はソラナに剛毛の生えた足で音もなく忍び寄るタランチュラを思い起こさせるのだ。

    その強い警戒心から、ソラナは先手先手と先を急いだ。

     

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