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    案件依頼の費用

    デイジーの原っぱS is for Silence
    花いっぱい。

    バイオレットの娘、デイジー、のトラウマは、犬は連れて行かれ自分は捨てられた、という嫉妬に起因していた。彼女の怒りの深さに驚き、34年も経った事件の調査を初めは断ったキンジーも、それでは、と渋々引き受ける。

    バイオレットが溺愛したポメラニアン犬

    バイオレットが溺愛したポメラニアン

    キンジーの標準調査費用は1日500ドル(これはキンジーを1日丸抱えするときの費用で、半端仕事・掛け持ち案件は1時間当たり確か40ドル)。デイジーは5日分の2,500ドルを支払う。そして、キンジーはきっちりその5日を働いて事件を解決するのだ。34年も前の、怖しいしかも危険な事件を。

    可憐なデイジーの花

    Daisies, デイジー

    そもそもキンジーにデイジーを引き合わせたのは、タニー。『獲物のQ』でドーラン警部が紹介する絶品料理を出す店、Sneaky Pete’s、の女バーテンダーだ。こうした『A』から続く時間の流れが見えると、何か嬉しい。初めて訪ねる町の駅近くにドトール・コーヒーを見つけた時のような安心感が湧く。このS ではその時のタニーが主要人物の一人だ。

    そのタニーの友人デイジーが、失踪した母親を探し出したいというのだ。電話で古い事件の調査依頼の話を聞いてキンジーは強く渋る。でも、「あれ奢るから話だけ聞いてあげてよ」とタニーに持ちかけられると、どうだろう、キンジーはいちころ。それほどおいしい。

    タニーがバーテンダーをするカフェ

    カフェ

    キンジーの心を捕らえて離さないその「あれ」とはいかなるものか、『獲物のQ 』中の説明から太字でご紹介しよう(『獲物のQ』、早川書房2003年発行、第一章、第12ページ下段)。おいしさをさらに想像できるよう、S is for Silence にある詳細説明も(カッコ内に)適宜追加して(S is for Silencep.13、下から2行目よりp.14、5行目まで)。
    1. カイザー・ロール(バターを塗ってからグリルで温められてこんがり色づき、縁はパリパリ、噛めばカリカリと音がしそう)にスパイスのきいたサラミの輪切りを乗せ、
    2. 溶けたペッパー・ジャック・チーズをかけ(サラミと刻んだ赤唐辛子の練りこまれたチーズが、すでに一体化している)、
    3. その上にフライド・エッグを乗せたもの(半分に切ったロールの上側を持ち上げると、黄身はまだぷるぷる。噛んだらその黄身は破れ、パンにじわーっと浸み込むだろう)
    ドーラン警部がいみじくも、注文する価値のある唯一の料理、とのたまう。

    半熟のフライド・エッグがのったハンバーガー

    サラミではなく分厚い肉、野菜も入っているけれど、ま、パンも似ていることだし

    カイザー・ロールなら知っている。うちでも時々食べる。窯焼きのロール・パンで中央が渦巻いて高い。タカキベーカリーのものを生協から買っている。ただ、小さい。平素小食のキンジーはともかくドーラン警部をも唸らせ満足させるサンドイッチならば、かなり大きいはず。ということは、アメリカのカイザー・ロールは二回りも三回りも大きいのだ。そして、ペッパー・ジャック・チーズ。これは、小さく刻んだ赤唐辛子を練りこんだジャック・チーズ(チェダー・チーズの一種だそうだ)のことで、ピリピリ適度な辛みがある、らしい。

    高タンパク質サンドイッチ、一口噛めば、チーズと卵黄がパンからはみ出て指先と口元が汚れる。でも。モスバーガーのあれと同じ、こぼれるうまさ。「うーん」とキンジーの声もこぼれる。

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