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    「著者からひと言」

    カリフォルニア州サンタ・マリア周辺の地図。S is for Silence
    サンタ・バーバラ(サンタ・テレサのモデル)とサンタ・マリアのほぼ中央に、舞台の村がある。©GOOGLE

    関係者一同へ延々と続くAcknowledgments(謝辞)はグラフトンのすべての作品にあるが、A NOTE FROM THE AUTHORは、この S is for Silence にしかない。いや、もう1件あるが、こちらは後付けの真のapology (謝罪)、ここの「ひと言」とは役割が大きく異なる。

    古い無人の家

    村の中央を走る通りの両側に、こういう家が建っていた。

    この「著者からひと言」でグラフトンは、サンタ・マリアを除けばストーリーに出てくる村や町はすべて自分の創作である、と述べる。つまり、その実在の町サンタ・マリア、を一つだけ使うことで、その周辺田園風景の雰囲気をストーリーの舞台にそのまま・そっくり・ちゃっかり「借用」したことへの、この一文は「ことわり」である。実に巧みな手法ではないか。まったくグラフトンは、深い引き出しをたくさん持っている作家だ。

    ちゃっかり「借用」しながら、瞬間舞台設定をして、第一章のバイオレット登場に繋げているのだ。お見事。

    たくさんの人が都市部に住む現代、小さな村、というのは観念だけでしかない。舞台となるこの村に住むのは60所帯、といえばその小ささはある程度想像できるだろうか。小さなコミュニティが内包する問題を理解するために、もう少し、この村の客観的なデータを。そのデータは、探偵キンジー・ミルホーンが調査の後半に当時の新聞や年鑑から得たデータである(さすが米国。こうした統計は日本でももちろん立派なものが残されている。が、それは世界標準ではない)。

    古い居酒屋の看板

    酒場の看板。 Blue Moon を見つけたかった 。

    古いコイン・ランドリー

    コイン・ランドリー

    昔の自動車修理ショップ

    自動車修理ショップ

    Serena Station、キンジーが住むサンタ・テレサ市北の小さな村。60世帯しかない村の住民は、近隣の市町村で家政婦・石油会社社員・日雇いとして生計を立てていた。何しろ、村のビジネスは酒場ブルー・ムーン、コイン・ランドリー、そして自動車修理ショップ、の三つのみ、であったから。

    そのような小さな村、バイオレットの失踪は村初めての大事件となった。

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