V is for Vengeance

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7.事件後日譚

日米の推理ドラマ制作法には違いがある。底辺には、余韻の味わい方への国民性が透けて見える。ダンテとノラの恋の行方は十分には語られない。が、どうも実る恋のようだ。グラフトンが用意した周到な「罠」に填まり、読者は二人の幸せな結末を信じる。事件終了後、キンジーはようやく祖母との再会を果たす。
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6.「Vは挽回のV」

警察の手が迫っていた。国外逃亡の予定が実行に移されないことに業を煮やした叔父が、行け、とダンテに命令する。しがらみに見切りをつける時が遂に来た。後ろ髪を引かれる思いはあるが、恩義は返した。後始末の段取りもとっくについている。ダンテは自由に向かって歩き出す。
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4.ノラを深掘り

一見暇な有閑マダムだが、ノラは美・知・金を持ち、経済的に自立。これこそが、女の解放と自由を目指す手段。まずは地道に自分を磨き、財力を付けよう。夢の実現が近づく。ノラのように人に任せられるものは任せ、そうして得た時間で自分の世界を構築。頂きを目指して昇り続ける楽しい努力だ。
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3.ダンテの家

命の誕生に見た感動はいずれ日々の生活の中に埋没する。ダンテの父も、そう。母親の愛情で保たれていた家庭も、彼女の失踪で崩壊する。それでも時間は経ち、ダンテは家業を引き継ぎ、事業として構築する。広大な屋敷も買った。でもそれは、ギャングという身分を恥じるあまりの、世間体を繕うだけの家。
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2.ダンテの父

長子の誕生に感動し、父親は子に自分の名前を付けてダンテとした。親となって初めて人は自分が受け継いできたものの重さを知る。直系男子に家と家業を継がせたいと願う。父親はギャング、それでも思いは同じ。しかし、家業は犯罪がらみ。ダンテは家族の罪までも責任を問われることになる。
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1.こういう話

デパートで偶然目撃した初老の女の万引きをきっかけに、キンジーは巨大な組織犯罪の中枢に近づいていく。それがダンテ、このたびの主人公。グラフトンはこの本で彼の犯罪、彼の罪、彼の人生を揺るがす大きな変化を描く。「時間と空間」が許せば、キンジーはダンテと友情を結ぶことができた。
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