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    幻のZ is for Zero

    シリーズ未翻訳7冊とこれから発行予定のZZ is for .....
    まもなく発行

    Z is for Zero、これがウィキペディアのリストにある最後の1冊、Z、に予定されていた題名。最後の1冊だからこそグラフトンの思い入れも強く、U から Y までの5作よりずっと早くから Zの題名は決まっていたらしい。しかし、ウィキペディアのスー・グラフトンの項の本文記事によれば、グラフトンはこの Z is for Zero を病床で完成したにもかかわらず、なぜか気に入らず、書き直すことにした、が残念、その思いを果たす前に他界。かくして Z は欠番となり、家族もそれでよしとしたという(この部分の顛末は2021年6月現在、ウィキペディアから削除されている。が、英語 Wikipedia には、書き始める前に他界、と全く異なる情報が。情報の交錯、よくあることだが)。

    欠番になって25冊で終わっても、私はそこに美を見る。7冊の未翻訳本を読み進めていた頃だったと思う、天才棋士羽生が新星のごとく現れた藤井少年に非公式戦で敗れた。以来、前人未到の100冠を目前に羽生のタイトル獲得が難しくなる。いまだに彼の100冠は達成されていない。しかし、25巻と99冠、果たされずともそこに漲るエネルギーの凄さをビンビン感じるではないか。

    ところが、だ。

    まだ UVを読んでいたころ、2019年の秋だったと思うが、グラフトンの情報を確認するべく調べ物をしているうちに、アマゾンの彼女の著書の販売ページが偶然ヒット。ふと見れば何とそこには、 Z is for …というタイトルでZが2020年2月に予約販売開始、とあるではないか。これには驚いた。なんだこれは、としばらく絶句した。ないとされているはずの Zの唐突な出現のみならず、「ゼロ」ではなくただの「…」 と題名が変わっていること(尻切れトンボで収まりの悪いこと、この上ない !!)、に驚いて。

    すぐ気を取り直して、とりあえず予約をしたのだが、明けた2020年、2月を過ぎても何の音沙汰もない。それが夏の8月になって、予約した注文をキャンセルしますか↓↓、という意向伺いのメールが届いた。ムッとしつつ、「しない」と即答した。

    届いたZ予約確認メール

    Z 予約確認メール。

     

    その2週間ほど後、今度ははっきりとしかも居丈高に「販売をキャンセルします」というメール↓↓。人の意向を無視して何と勝手な、と再び私はムッとした。

    この商品はキャンセルされました

    この商品はキャンセルされました

     

    でもそれで終わりではなかった。2020年末時点のアマゾンには、この本は存在しているらしく書名がまだちゃんと載っているのだ↓↓。現在購入できません、という但し書きをつけて。さらに、2021年3月初頭から今に至るまでずっと、「画像なし」で「現在在庫切れです」に代わっている。いつ在庫切れになったんだ?そもそも、いつ販売されたんだ?まったく、もう !!

    いまだに掲載されている Z is ... の商品案内

    まだウェブに掲載されている Z の商品案内

     

    どういう事情かそれはさておき、Z is for … はすでに本としての形を成しているのだ。条件が整った暁には、インターネットでグラフトンを引けば、その時は価格も表示されていて、カートに入れればそのまま決済、となるに違いない。気に入らなかった「ゼロ」を書き直した「…」は、きっとグラフトンが最後の力を振り絞ったもので、それにゴーストライターが体裁を整える程度の加筆をしたものだ。でも難しい条件を満たさず、今は販売開始に向けて調整中なのだ。きっとそうだ。

    白いユリをグラフトンへ。

    手向けの白百合

    親愛なるスー・グラフトンさん、私たちは待っていますよ、待ちますよ、キンジーに会うことができる最後の事件を。あなた自身がキンジーに別れを告げつつ涙ながらに書き終えたはずの、正真正銘、キンジー最後の事件を。

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