物語Wは佳境に近づきます。発端となった最初の死体は、老探偵ピート。彼はこの事件とどう関係するのでしょう。
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14.老探偵ピートの不可解

生真面目なキンジーには理解できない、ズルでルーズな探偵ピートは、久々の仕事で依頼人に法外な調査費を請求する。その時の調査から浮上したスキャンダルに気づくと、彼はその主の医師を脅迫し口止め料を受け取る。脅迫の原因が突然に解消した医師は、彼に前金の返還を要求するが、ピートは応じようとしない。
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13. そうか、もう終わるんだ

残るは後3作になった。著者グラフトンは焦る。なぜか。心の準備ができていない。突然、感傷に襲われる。それに。使い損ねた素晴らしいイメージ・比喩・言葉・句、逸話・笑い・しんみりがたくさん溜まっている。これを全部どこかで使いたい。いろいろ書きっぱなしだったこと、まとめておきたい。大急ぎで。
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12. 裏庭でレモネード

2冊の電話番号簿はキンジーの七つ道具の一つ。これさえあれば、健在である限り、昔の「隣人」の所在がわかる。そうして発見したロリーは、昔の隣人Daceのことを覚えている。彼のアリバイは磐石。キンジーの緩やかな時間軸と対照的な、その頃から目覚ましい進歩を見せた現代科学技術について一考。
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11.3冊の野草スケッチ画集

庭師をしながら勉強を続けていた老人は、3人の子どもに3冊の野草のスケッチ画集を遺した。仕事をしながら彼が愛でた自生の植物。繊細な筆運びには描きながら多大な時間が費やされている。その1分1分を、彼が幸せな気持ちで過ごしたことが、手に取るようにわかる。彼の愛情の深さにキンジーは打たれる。
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10.貧して鈍する:新しい親戚

キンジーの突然の出現に、老人の家族は驚愕。それが落胆さらに怒りに変る。すべてキンジーの想定内。事実の受け入れ方に、性格が出る、本質が顕わになる。混乱する家族の反応を書きながら、グラフトンは異なる個性を書き分ける。キンジーに向けられた嫌がらせも、新しい家族を受け入れる適応過程の一つに過ぎない。
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9.スー・グラフトンが尋ねる

乞食とホームレスは、ここでは、様態が異なる。乞食は自立している一方、ホームレスは行政へ依存。死んだ老人と親しかった肥満女ホームレスは福祉に全依存。彼女にとってそれはごく自然な生活の形。毎日を仲間と過ごす時間を大切に暮らしていた。が、そういう中で老人は不慮の死を遂げる。
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8.ママに金鎚で殴られた

死亡した老人と親しかったホームレスの一人、フェリックス、は母親の虐待が原因で知能発達が滞った。しかしホームレスに助けられ、思いやりの深い大人になっている。ますます虐待が世界的に増加するとき、彼の成長は注目に値する。虐待の実態に注視すると、そこには大人になり切れない若者の姿が見え隠れする。
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7.日本から来ました 

グラフトンが紹介する「日本のもの」最終版。そのメッセージは、今や一国の専売特許の防壁は取り払われた。好きであれば誰が愛してもよい。亜流の変なものが登場する心配もあるが、「構うか」。垣根を取り払えば、理解が深まるようになる、敬意が生まれる、他人を受容できるようになる。それは平和の始まり。
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6.キンジーつぶやく

キンジー・シリーズの人気の秘密は、第一人称の選択、にあった。「地の文」に表れる彼女の思考の多様性・複雑性が遠いところから、はっきりと聞こえるからである。小説のテレビ映画化に携わっていた間に備わった技術と思われるが、文字から「映像そして声」までを再現、豊かな世界が堪能できるからである。
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5.化学元素周期表を推理

両親が交通事故で死亡すると、5歳の孤児キンジーを引き取ったのは、母の妹、独身のジン。そのジンは、キンジーにたくさんのことを暗記させる。九九や世界の長い川だけではない。英国の歴代王・女王の名前、世界の宗教、と多様。でも、なぜ「化学元素の周期表」まで?ここでこの謎を推理。
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